【小説家になろう】テンプレ派生、テンプレ亜種の作り方

考察
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ランキングに載るために

「小説家になろうのランキングに載りたかったらテンプレを書かなければならない」
という言葉は、なろうで小説を投稿する作家なら聞いたことあると思います。

実際にランキングを見てみると、その時々の流行作品が大部分を占めています。無名作家がランキングを狙おうとした場合、テンプレを書くことが近道なのは間違いありません。

では、どのようにテンプレを書けば良いのか。

テンプレ派生という言葉をキーワードに、解説していきます。

なお、この記事では主に「小説家になろう」のハイファンタジーランキング、とりわけ「追放もの」と呼ばれる作品群を例に、あくまで一つの解釈、分析を元に話を進めていきます。解釈は分かれる部分であり、普遍的な例ではないので、考え方の一つとしてご参照ください。

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追放ものとは

ここでは元祖や源流は置いておいて、現在の流行を元に考えます。

「追放もの」とは、冒険者パーティや宮廷などの組織から、主人公が追放される(追い出される、クビになる)ところから始まる作品です。

現在では「実は有能な主人公の実力が認められず、不当な理由から追放され、違う場所で認められ活躍する」という流れが多いですね。追放された後で力に覚醒するパターンもあります。

追放ものを書くなら

さて、ではこの「追放もの」テンプレをそのまま使用した場合、どのように構成すればよいのでしょうか?

基本的な考え方として、「主人公の能力」によって差別化を図ります。「スキル大喜利」などと呼ばれることがありますね。

能力が変われば追放される理由が変わり、活躍のし方が変わります。

序盤の展開が同じでも、能力さえ違えば十分、オリジナル作品としてランキングを狙うことができます。

ランキングを見てみると、この方法で作られた物語が多く見られます。

それぞれ、個性的なスキルを理由に追放されています。タイトルから分かるのが、ハイファンタジーランキングの特徴ですね。

しかし、テンプレと呼ばれるだけあって競争が激しく、ストーリー展開そのものの実力で勝負することになります。同じような作品が一番多い構成になるためです。

ハイファンタジーの読者はこの「スキル大喜利」を見慣れていますから、よほど特徴的なスキルや展開でない限り、ランキング上位を狙うのは難しいでしょう。

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テンプレ派生、テンプレ亜種

ここで利用できるのが、テンプレ派生という考え方です。

テンプレそのものではなく、テンプレを少しだけ外した構成を考え、スキルと共に差別化点とするのです。

例えば、既に定番化した「もう遅い」も派生の一つと言えると思います。

「追放した側が落ちぶれる」という元からあったざまあ要素に加え、「無様にも手の平を返して助けを求めきた相手を、ばっさりと断ることで貶める」という二段構えのカタルシスを用意した構成ですね。

あるいは、追放される古巣も、多種多様に派生しています。

主流が「冒険者パーティ」だとすれば(おそらく源流は婚約破棄だと思いますが、ジャンルが違うので割愛)、宮廷魔導士だったり騎士団だったり、貴族家や学園、ギルド、変わり種では世界そのもの、なんてものまであります。

これらは全て、「追放もの」という枠組みの中で派生した作品です。

構造が同じでも、その派生が新しいものであれば新規性があると判断され、読者の獲得に繋がります。

テンプレ派生の作り方

派生させるためには、正しくテンプレを理解する必要があります。

「ただ追放すればいい」のかというと、そうでもありません。

派生ものを作ろうとした場合、そのテンプレをもっと細かく分解して、必要な部分だけ変える、といった手法を取ります。

追放ものであれば、

主人公が弱者(被害者)である」……感情移入しやすく、その後の展開にも繋げやすい。
明確な加害者(敵)がいる」……開幕から物語の方向性を明示でき、展開の安定感をもたらす。
環境が変わる」……ヒロインや新たな仲間など、関係を一から構築でき活躍の場を作りやすい。
能力に覚醒する(隠れていた能力が表に出る)」……無双。

といった感じ。

分解して見ると、とあるテンプレに酷似していることが分かります。

そう、異世界転生です。「神様の手違いで死ぬ、あるいは巻き込まれ」「魔王などを倒すために異世界へ」という構図です。転生・転移のランキング隔離以降、新たなテンプレを求めた作家や読者が追放ものに目を付けたのも、ある種必然だったのかもしれません。

追放ものの場合、加えて

ざまあ」……読者にカタルシスを与える。

という要素も重要です。

では、分解した要素を元に再構築してみましょう。

これだけ抑えておけば、テンプレそのものでなくとも十分ランキングで通用する作品を作ることができます。

一つ、私が没にした作品を紹介すると、

「貴族の妨害により就職できなかったので冒険者になります~今更俺の実力に気が付いた企業が慌ててスカウトしてくるようです~」というもの。

テンプレは外していますが、「追放もの亜種」としての要点は抑えてあります。

「妨害され能力を認められず就職に失敗(弱者)」「妨害してきた貴族(加害者)」「冒険者になる(環境の変化)」「冒険者として活躍する(能力の発揮)」「手の平を返してスカウトしてくる(ざまあ)」といった感じ。

追放ものと同じ構造を使いつつ、新規性を持たせたのが、このような「テンプレ派生(テンプレ亜種)」です。それをタイトルだけで明示するのも重要ですね。

スキル大喜利に行き詰った場合、テンプレ派生を試してみるのも手です。

別のテンプレを組み合わせる。

テンプレをそのまま使用する場合でも、別のテンプレを組み合わせることで新規性を持たせることができます。

例えば、

「追放」+「転生」……ダンジョンで追放され死んだ主人公が転生する、など。
「追放」+「転移」……世界から追放され、異世界(日本に来る場合も)に転移する。

などが分かりやすいですね。

仮に既存のテンプレだけでも、組み合わせ次第では全く新しい作品を作ることが可能です。

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アンチテンプレ

さて、テンプレ派生としてはもう一つ、アンチテンプレというものがあります。

これは、「テンプレが嫌いな人」という意味ではありません。

アンチテーゼ、つまりテンプレの反対理論を用いた作品です。

ランキングを埋め尽くすほどの、強固な流行がある場合に有効な方法です。

これは分かりづらいので、作品を一つご紹介。

【完全版】俺は何度でもお前を追放する~ハズレスキルがこのあと覚醒して、最強になるんだよね? 一方で俺は没落してひどい最期を迎えるんだよね? 知ってるよ、でもパーティーを出て行ってくれないか~
R15 残酷な描写あり 男主人公 有能ヒロイン 魔王 西洋 中世 追放 死に戻り ループ ご都合主義 非ハーレム 完全版 シリアス ハッピーエンド

「追放もの」のアンチテーゼ、つまり「追放する側」を主人公とした作品ですね。

加えて「ループもの」という別のテンプレを組み合わせています。

他にも、「追放された者を集めてギルドを作る」「追放することで人材派遣する」など、アンチテーゼ作品も多種多様です。

どれも非常に面白く、新しい形態です。

ここで注意が必要なのは、アンチテーゼは「流行している作品」がある時だけ有効だという点です。

ポケモンで例えるなら、物理型のガブリアスが大半を占めているからこそ、特殊技持ちのガブリアスがメタとして輝けるのです。物理型が存在しない環境では、ただハンデを背負っているだけに過ぎません。

つまり読者の「テンプレ知識」を利用して、それをひっくり返すころで注目を集めるのがアンチテーゼ作品の使い方です。

過去、色々なテンプレが生まれる中で、必ずと言っていいほどアンチテンプレも後を追ってきました。

テンプレとアンチテンプレは表裏一体、そういうものだということを理解して、使用してください.

アンチテンプレの作り方

これはテンプレ派生(亜種)と違い、分析よりもアイデア勝負になります。

「現在のテンプレ」を利用しつつ、全く違う角度から斬りこむ必要があります。難しいですね。

そのためアンチテンプレ作品はそれほど多くなく、たまに少数の作者が一気にランキングを駆け上がっていきます。

ただ、テンプレ派生と共通して言えるのは「テンプレ理解」が大事だということ。

正しく理解した上で、読者の認識をひっくり返すような仕掛けを入れる、タイトルで興味を持たせる、といったことが必要です。

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テンプレの使い方は一つじゃない

一般的なテンプレだけでも数多く存在する上、派生まで考えるといくらでも作り出すことができます。

テンプレとは「面白い構成」の定番であると同時に、とても自由なものなのです。

あなたも、テンプレを利用して読者を楽しませてみませんか?

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