小説家になろうのタイトルはなぜ長文の方が読まれるのか

考察
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長すぎる「なろう小説のタイトル」

なろうアンチからのみならず、なろうのファンからも叫ばれる、この問題。

どのくらい長いのか、なぜ長い必要があるのかは、以前別の記事で紹介したので、そちらも合わせて読んで頂けると幸いです。

要約すると
・なろう作家とて作家の端くれ。本当は短くて色々な意味が掛かっているオシャレなタイトルを付けたい
・しかし、長文にしないと読んでもらえない。読者が最初に触れる情報がタイトルだけだから。
・タイトルの中に、どれだけ情報を詰め込むかが大切。

無論、短いタイトルで人気を博している作品もあるが、ランキング上位は長文が圧倒的に多い。

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なぜ長文でないと読んでもらえないのか

この記事では長文でなければ読まれない理由を掘り下げていきたいと思う。

前述の記事でも紹介したが、最初にスマートフォン版のランキングページを見て欲しい。

なろうは、日々多くの作品が無料で公開され、新着やランキングページを埋め尽くす。

無数の作品の中で読者は、自由に選択し、無料で閲覧できるのが、Web小説サイトの強みだ。

では読者は、何を以て作品を選ぶのか。その一番最初の判断基準が、タイトルである。

なろうのページでは、わざわざあらすじを開かない限り、タイトルとジャンル、作者名しか見えない。つまり、読者としてはタイトルだけで判断するしかないのだ。

タイトルで興味を惹かれて初めて、あらすじを読んでもらえる。タイトルでスルーされてしまえば、あらすじすら読んでもらえない。なぜなら膨大な作品数がある中で、いちいちあらすじを開くような時間はないからだ。

よって、作者としては正当なマーケティングの結果として、タイトルに自作品の独自要素を詰め込み、読者にアピールするのだ。

性質としては「掲示板サイトのスレタイ」「ネットニュースのタイトル」「YouTube動画のサムネイル」などと近い。

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商業作品の場合

では、商業で出版されている作品ならどうか。

ライトノベルであればタイトルの他に、「表紙イラスト」「帯の推薦コメント」「レーベル」「前評判や公式サイトの情報、出版社によるプロモーション」「ポップや棚配置」など、読者は様々な情報の元、購入を決定する。また、お金を払って購入する以上、情報収集はきちんと行われる。
さらに「その出版社が刊行を決定している」という点で、ある程度のクオリティが保証されているのである。

では漫画ではどうか。
雑誌で連載している作品は、その漫画雑誌を毎週購読している人が数多く存在する。そこで新連載が掲載されれば、購入した人の大多数が一度は目を通すのだ。むしろ、タイトルの優先度は非常に低いとすら言える(一話を読んだ段階では、大体の人がタイトルなど覚えていない)

「鬼滅の刃」というタイトルのなろう作品があっても、まず読まない。鬼を倒すんだろうな、ということしか分からないから。
「ワンピース」や「ナルト」「ブリーチ」はもっと読まない。中身が一切伝わってこないからだ。

しかし、漫画であれば中身で勝負することが可能で、そこが最もなろう小説と異なる点だ。

以上の理由から、商業作品であればオシャレでその後の伏線になるようなタイトルでも付けることが可能なのだ。

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なろう黎明期の作品

「転生したらスライムだった件」「薬屋のひとりごと」「Re:ゼロから始める異世界生活」「この素晴らしい世界に祝福を!」

なるほど。昔の作品はタイトルが短いではないか!今のなろうはレベルが下がった!

と、言いたい気持ちも分かる。

しかし当時は今と状況が違う。

作品数も比較的少なく、また短いタイトルのオリジナリティで勝負する土壌が存在していた。
これらのタイトルも、他の作品との差別化を狙った付け方がされているはずだ。

あまり鮮明な記憶ではないが、当時転スラのタイトルを初めて見た時、なんと斬新で面白そうなタイトルなんだ、と思った。その時代に合わせたマーケティングが必要なのである。

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他サイトではどうか

小説家になろう以外のWeb小説サイトではどうなっているのか。

これはカクヨムのランキングページだ。(なろうとは違いパソコン版なのはご容赦)

カクヨムの最大の特徴は、タイトルの他にキャッチコピーを掲載できることだ。
他のサイトでも、似た機能がある場合も多い。

このキャッチコピー、画像を見て貰えば分かるとおり、非常に目立っている。色も選択でき、なんならタイトルより目立っている。余談だが、カクヨムを使い始めた当初はどっちがタイトルか判断できないことがよくあった(今でもたまにある)

タイトルではなくキャッチコピーがあることで、小説の中身を的確に表現したコメントを別に掲載することができるのだ。そのため、無理にタイトルに情報を詰め込む必要がない。

つまり、単行本における帯の役割を果たしていると言える。
読者からの推薦コメントを掲載したり、小説の見どころをアピールしたりと、非常に有用な機能である。

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長文タイトルは悪しき文化なのか?

なろうのファンであっても、たまに長文タイトルに嫌気が差すことがある。意味があって付けられていると知っていても、だ。

しかし、それを一概に悪いことだと断じることはできない。作家はランキングで上に上がるために、また多くの読者に読んでもらうために、全力で努力した結果だからだ。

それに、ただ長いタイトルを付ければ良いというわけでもない。
読者の興味を惹くようなオリジナリティのある要素、その後の展開を期待させるような書き方、中身を読んでみたいと思わせる情報。

それらを上手く、多く練りこまなければ、読者を獲得することはできない。簡単に批判できるほど、単純な世界ではないのだ。

カクヨムに倣ってキャッチコピーを採用して欲しいところだが、時代を作り上げたというプライドが、後発の真似をすることを許さないのか……

書籍化しない限り作者に収益が発生しないシステムといい、他サイトに追い抜かれる日も遠くないかもしれない。

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